日本の医療の未来を考える会

第18回「日本の医療の未来を考える会」リポート

第18回「日本の医療の未来を考える会」リポート

2017年9月27日(水)、13:30~15:00(第1部)と16:30~18:00(第2部)、衆議院第一議員会館の国際会議室にて、「日本の医療の未来を考える会」の第18回勉強会を開催いたしました。詳細は、月刊誌『集中』2017年11月号にて、事後報告記事を掲載いたします。

集中出版 尾尻佳津典まず、当会主催者代表の尾尻佳津典より、挨拶させていただきました。

「7月に井元先生にお願いしてAIの勉強会を開催しましたが、大変大きな反響がありました。それに応えるため、どうしても2回目の勉強会を開きたいということで、多忙な井元先生にお願いし、今日の勉強会となりました。最近、私もAIに関する本をいろいろ読んでいるのですが、その中に気になった内容がありました。AIには強いAIと弱いAIがあり、弱いAIと組んで仕事をした企業は、その数年後に悲惨な目に遭うというのです。AIについて学ぶことの必要性を感じました」

続いて、当会国会議員団代表の原田義昭・衆議院議員にご挨拶いただきました。

「本日のテーマはAIです。大変難しい分野だと思いますが、最近はAIの必要性が明らかになってきて、この流れに乗り遅れてしまうと、産業や経済のみならず、国全体がどうなるかわからない、という状況になっているようであります。AIが重要になるのはまだまだ先と思っていましたが、20年後、30年後ではなく、2年後、3年後には大きく変化しているというスピードで、時代は変わっています。皆様がAIをうまく取り入れ、ご活躍されることをお祈りいたします」

今回の講演は、株式会社9DW代表取締役の井元剛氏による『医療分野AIセミナー・AI技術概要+活用事例紹介』(第1部)と『医療分野AIセミナー・AIの最新手法と医療会への活用提案』と題するものでした。以下はその要約です。


第1部

『医療分野AIセミナー・AI技術概要+活用事例紹介』

■AI(人工知能)とは

 AIとは人間のような知的処理をコンピュータで行う技術のことです。かつては、人間がルールを設定し、それを単純に処理するルールベースアプローチが主流でした。機械が自己学習しないもので、これを「弱いAI」と呼ぶことがあります。「強いAI」と呼ばれるのは、「脳科学的アプローチ」や「統計・確率論的アプローチ」により機械が自己学習するものです。最先端は両方のアプローチの混合で、9DWは機械が賢く学べる方法として、混合アプローチから新しい手法を研究しています。

 現在は、与えられたデータから答えを出すためのルールを自分で見つけ出し、推論することができる時代になっています。これが機械学習です。計算リソースさえそろえば、人間よりも賢く働くシステムを作ることができるようになったのです。

 深層学習(ディープラーニング)は、機械学習とは違います。機械学習では、結論を導くために必要な特徴量を人間が決めますが、ディープラーニングでは特徴量を機械がデータを解析することで決めます。学習工程に人間が介在する必要があるのか、機械がすべて自動的に行うかの違いです。かなり複雑なニューラルネット(人間の神経構造を模倣したアルゴリズム)が形成できるようになって、ディープラーニングの最新の研究がどんどん行われるようになっています。

 現在実現しているAIは、特化型人工知能に分類されます。たとえば、囲碁ができるAIは、自動運転には使えませんし、医療の診断にも使えません。現在は、9DWでも特化型人工知能しか作れていませんし、世界中を見渡しても、まだ特化型人工知能しかできていません。しかし、海外の大企業を含め、世界の最先端でAIの開発に取り組んでいる人たちは、汎用型人工知能の開発を目指しています。異なる領域において多様で複雑な問題を解決できる人工知能です。汎用型人工知能の登場によって、これまで解決が困難であるとされていた問題も、解決されるのではないかと期待されています。

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